自然環境の調査も設計課の大切な仕事です
技術士(環境部門:自然環境保全)
現在の仕事の内容
設計の仕事も行いますが、主にはその前段となる調査や計画などの業務を行っています。
現地調査では、生き物調査や水質・底質調査、流量観測など、いろいろなことを調べたりしています。また、聞き取り調査として地元の漁業者さんや有識者(生き物に詳しい方など)に川の自然環境や利用状況などについて聞いたり、住民の方に被災状況の確認をしたりすることもあります。
調査の内容によっては長く現場へ出かけることもありますが、調査で得られた情報は持ち帰ってから整理したり、計画や設計に反映させるよう検討したりするので、これに結構時間がかかり、全体の割合としては社内でパソコンに向かっていることの方が多いです。
生物の調査と川の設計にはどんな関わりが?
「貴重種」を例に挙げると分かりやすいでしょうか。現地調査で貴重な生き物が確認された場合には、それらを守っていくために特に配慮をしながら工事をしていかないといけないので、保全対策を提案したりもします。
現在では、ただ安全確保のためだけに工事をするということではなく、生き物も守りながら工事を進めないといけないという考え方が一般的になっています。なので、私たちがしている、現場に出て実際に生き物やその生息環境を調べたりする調査も、設計を行う上での重要な要素になっているんです。
今後の目標は?
私たちの仕事はいつも同じような内容の業務を行うというわけではなく、その時々でいろいろなことを求められるので、臨機応変にできるだけ効率の良いやり方で進められたらなと思います。
例えば、先ほどは現地調査についてお話ししましたが、それ以外にもパンフレットの作成やワークショップの運営、アンケートの集計などを行うこともあり、意外かもしれませんが、仕事の内容は多岐に渡ります。必要となるノウハウや時間の使い方もそれぞれによって変わってくるので、どうやったら品質を確保しながらもスムーズに仕事を進められるかを今模索しているところです。
建設コンサルタントへの就職を検討している方へのメッセージ
設計というと、「図面を書く仕事」というイメージを持っている方も多いのかもしれませんが、それに至るまでには生き物や水質を調べたり、時にはパンフレットやチラシを作ったりと、とにかくいろいろなことをするので、先入観や固定観念を抱く必要はないかなと思います。
私もそうですが、大隆設計には大学で土木の専門的な勉強をしていない人もたくさんいるので、理系とか文系とか、そういう部分で難しく考えずにチャレンジしてみてほしいです。