令和6年度 第1回社内技術発表会を開催しました
教 育
2024年07月29日
今年度の第1回社内技術発表会を7月25日に開催しました。
技術発表会は、前年度の業務成果を社内で報告し、業務の課題とその解決策、創意工夫点など、今後の業務に役立つノウハウを社内で共有することにより、社員全体の技術力向上を目的として毎年実施しています。
今回は、前年度までに実施した受託業務の成果と今年度からスタートしたCIMを活用した測量及び設計業務についての発表を行い、最後に島根県技術士会 前会長 木佐 幸佳氏に斐伊川放水路事業について講演をしていただきました。また、発表・講演の後では、活発な質疑応答が行われました。
【業務成果発表】
1. 益田市道丸茂三隅線道路改良事業(設計1課)
過年度に崩壊した山側斜面の掘削と既設道路擁壁の撤去は行わない、対岸の河川護岸への影響を極力抑える、長期の通行規制は行わない等様々な制約条件の中、補強土壁工法を用いた道路詳細設計を実施しました。
2. 五右衛門川(十四間川)堤防修繕設計(設計2課)
河川の浸透に対する堤防の安定照査を行い、環境、景観に配慮した堤防の漏水対策の設計を実施しました。
3. 母衣町雑賀町線東京橋橋梁修繕設計(設計3課)
老朽化した鋼H桁・RC床版橋の床版上面の土砂化が発見されたため、現況耐荷力の照査を行ったうえで、径間ごとの劣化度、施工性、工期短縮を考慮し、プレキャストRC床版への取替、FRPシート補強を計画しました。当該橋梁はバス路線であるため片側交互通行とし、通行規制日数を極力抑えたり、橋梁下を通過する遊覧船への配慮など制約条件下で橋梁補修設計を行いました。
4. CIMの活用方法について(CIM推進課)
社内で所有しているBIM/CIMツールと活用方法(4次元施工ステップ、UAV写真測量などによる視覚化、構造物の数量自動算出など)を紹介し、今後の活用方法について提案を行いました。
【講演】
「なぜ放水路事業は出来たのか? -その舞台裏-」
島根県技術士会 前会長 木佐 幸佳氏
斐伊川・神戸川治水対策3点セット(尾原・志津見ダム、斐伊川放水路、大橋川改修・中海宍道湖湖岸堤整備)は、地権者が多く受益者も多方面にわたるうえに、莫大な費用を要するため、明治時代から幾度となく計画が策定されては変更を余儀なくされてきました。この間、流域ではたびたび大水害に見舞われ、大きな被害が発生しました。
治水対策は、このような経緯をたどりながらも、国、県、市町村、測量・設計会社等がそれぞれの立場で使命感に燃え任務を遂行し、また多くの地元関係者との対話を重ねながら1世紀半の歳月をかけて完成に近づいてきたという史実を、多くのエピソードを交えながらお話しいただきました。